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ご存知の通り私は、ことある毎に日本介護支援専門員協会の存在とその機能発揮は必要と発言してる。会長の発言が気に入らないから退会するとか加入しないとかは、そもそも筋が違うのだと。

介護支援専門員に限らず職能団体や事業者団体は、市町村単位、都道府県単位、日本単位(場合によっては市町村単位より小さなエリアや、逆に圏域単位の組織があるところもある)の組織が存在し、それぞれ市町村(介護保険なら保険者)、都道府県、厚生労働省と交渉、折衝、相談、意見具申等をするという役割を持ってる。

同時にそれぞれ行政から委託を受けて研修などの事業を実施してることだろう。本来、手弁当でも実施しなければならない研修をはじめとする諸事業に対し行政からの委託金、補助金がついたなら、その分の費用を会員に何らかの形で還元できるし、行政へも益々物が言いやすい関係になる。

ついでにその他の役割や存在意義を挙げてみると、
1.会員がお互いに研鑽し、質をあげること(主に研修会等の開催)
2.会員に行政等からの情報を伝え、また会員から意見を吸い上げること
3.地域医療、地域福祉に貢献すること
4.これらの活動を通じて自分たちの地位向上に寄与すること
などである。

これもことある毎に言ってるが、介護報酬や指定基準を改定する場合は厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会の、介護保険法を改正する場合は同介護保険部会の意見を聞かなければならない。これらの審議会には介護保険に関係する職能団体や事業所団体の代表、利用者(住民)の代表、保険者や自治体の代表、それぞれの委員に加え学識経験者で構成されている。だから職能団等はここに委員を出してるかどうかで自分たちの処遇(報酬設定)等が大きく違ってくるのである。

別にこれら審議会を通じなくても懇意にしてる議員に意見を言うからいいという考えも見られる。そういう方法もあるが、議員を通じるのはおおざっぱな部分(介護報酬全体をあげろとか居宅介護支援費をあげろとか)でしか期待できず、例えば認知症の利用者は他の利用者に比べて対応が大変なんだとか、研鑽を積んで質を上げたケアマネ(現時点では主任ケアマネくらいしか評価はないが)を配置してる事業所を評価すべき、などといった込み入った話はやはり専門家同士の議論が必要になってくる。

ましてや審議会ではサービス提供サイド、利用者サイド、支払い側の保険者代表等で公正に議論されるので、基本的に一方的な意見が通ると言うことはあり得ない仕組みである。もし審議会の結論を議員がひっくり返すような横やりを入れようものなら、審議会は強く反発し、その議員は次の選挙で落とされる可能性もある。

よって、現場レベルの意見は市町村や都道府県単位の組織で集め、それをまとめて国レベルの問題については日本単位の組織にあげ、その組織の代表が審議会で現場の意見を届けることが最も有効なのである。
よって、上述の通り現場で活躍する会員の声を国に届けるため、職能団体、事業所団体やそれを代表して審議会に参加している委員の責任は極めて大きい

さて、長くなったがここまでが実は前振りである。

8月30日の厚生労働省社会保障審議会介護保険部会で、日本介護支援専門員協会の木村会長(同部会委員)は、「ケアマネジャーのあり方について」という資料をもとに、ケアマネジャーの独立性・中立性を担保するための施策の1つとして、特定事業所集中減算の算定対象を現行の90%から70%に広げることを提案している。

悪評高いこの減算規定を、撤廃させるどころか要件を厳しくせよというのである。

これはどこから来た発想なのか?これで本当に中立性を担保できるのか?

先に述べたようにこの審議会委員は我々会員の代表であり、現場で活躍する我々の意見を国に届ける責任がある。

にもかかわらず、現場の者がその不合理さに振り回されてる減算規定を、委員の独断でさらに厳しくしようとしているのなら言語道断!その委員は即刻その地位から引きずり下ろされなければならない

とこのように考え、この意見書作成のもとにした(アリバイ作りのためか?!)アンケート調査結果(日本協会のHPでアップされている)を調べた。

すると、ケアマネジャーの中立性・独立性についての意見は、ほとんどが居宅介護支援費の報酬額が低すぎてこの部分は赤字になっており、併設にならざるを得ず、赤字を補填するにはある程度併設の他サービスを利用するように誘導せざるを得ない、という趣旨の意見だった。

そしてその種の意見が圧倒的多数を占める中で、現行の特定事業所集中減算の90%というラインは、100%と遜色ない、89%ならOKというのは意味がない、などといった意見も散見されたのである。

つまり木村会長は、現場の声を吸い上げ、国に届けるという職能団体の責任をしっかり果たすべく、70%という数字を提案したことになる


ただ、ちょっと待って欲しい。それがケアマネの独立性・中立性を担保する最善策なのか?報酬を上げろというのは介護給付費分科会で発言すべきことだが(特定事業所集中減算も介護給付費分科会マターであるが)、それ以外にも提案すべきことはたくさんあるだろう。
ただいかんせん、アンケートの結果の中にこれといって効果が見込める改善策が提案されてないのがつらい。

確かに提案書にも書かれてる通り、指導監査等で居宅介護支援事業所とサービス事業者の経済的なつがりがあるかどうかは判断できない。しかし現行のやり方では、縁もゆかりもない事業所で、かつ、シンプルに質が高いとか、レスポンスが優れてるとか、利用者本位のサービスができてるなどの理由でその事業所に集中してる場合も引っかかってしまう

厚労省はそういう時のための抜け道として、「都道府県が認めた場合」(集中減算に該当しない)という規定を定めているというのだろうが、○知県のように担当がボンクラでは適正に運用できない。もっとも、ケアマネがいくら「この事業所は質が高い」と主張しても、それを数字化できる性質のものでない以上、現場を知らない自治体職員がおいそれと認められないのも仕方ない。


じゃ、どうしたらいいかと言われれば確かに妙案はない。
居宅介護支援事業所は地域包括支援センター同様行政の支配下にするとか、ケアマネは公務員にするという意見もアンケートに見られたが、安定の上にあぐらをかいて切磋琢磨しないケアマネだらけになるのが目に見えている…

確かに居宅介護支援費をアップし、独立採算が可能にすれば自社サービス誘導は減るかも知れないが、なくなるどころか激減することはまずないだろう。

ケアマネの専門性、プロとしての自覚と裁量に任せるのが筋だとは思うが、残念なことに「本当に実務研修を受けたのか?」「本当にケアマネ試験を合格したのか?」と目や耳を疑うほどあまりにもひどいケアマネがうようよしてることもこれまた事実。

試験の実施方法や実務研修、専門研修等の内容が全く現実に即していないことをはっきりと証明している

私と同じように感じてるケアマネも多いようで、日本協会のアンケートにも同じような趣旨の意見が少なくなかった。

これを受けてか、日本協会の介護保険部会への意見書にも
・介護支援専門員実務研修受講試験の見直し
・介護支援専門員の研修内容の見直し
・介護支援専門員の国家資格化

が提案されていた。

こういった施策は是非実現して欲しい。
そして既にケアマネになってる者に対しても、知識が少なく、意識も低い者は不合格になるような試験を実施して、不合格者は一から勉強しなおさないといけない(その養成校に入学するための試験にもパスしなければならない)ようにしてもらいたい。

そのようにしてケアマネの質をある一定程度のラインで確保できたなら、然るべき報酬を設定した上で居宅介護支援事業所の併設不可は実現可能と思う。
そうすれば集中減算や運営基準減算など不要だし、資格更新制も不要になるかも知れない。
勉強不足な自治体職員によるとんちんかんな解釈やローカルルールも自然消滅するかも知れない


そういう時代が近い将来、現実になることを祈りたい。


で、結局ケアマネの独立性・中立性を確保する特効薬的妙案は浮かばないのだが、かといって現行制度のまま90%を70%に変更することを容認するわけにはいかない。

可能かどうかわからないが、県がケアマネにアンケートをし、質が高いと考えて選んでる事業所名とその理由を聞き、県(とできれば都道府県ケアマネ組織と)が適正と判断した事業所は集中減算の対象から外すというのはどうだろうか。
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2010.09.17 Fri l 個人的見解 l COM(0) TB(0) l top ▲

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