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制度の問題は「内容の意味の無さ」と「高い手数料」に区分される

介護サービス情報の公表制度は、その公表手数料、調査手数料ともに事業者負担とされている。

その手数料があまりにも高すぎると大きな批判が制度施行当初からあがっていた。

厚労省が最初示した積算根拠があまりに現実から乖離してずさんだったことが原因。

しかし厚労省はそのことを謝罪することもなく、各地で手数料が不当に高すぎるという批判が相次いでるので、都道府県ごとに収支決算を公表させ、適正な料金設定を命じただけだった。


そのため多少手数料の額は下がった。しかしだからといってこの制度への不満が収まるわけではない。問題はそれだけではないからだ。

今度は利用者はこの制度をほとんど知らない、この制度を利用していないという声が高まり(あるいは取り上げただけか?)、厚労省は自治体に市民に対して制度の周知・啓発を徹底するよう命じた。


以上が、この制度に対する事業者・施設からの批判に対する厚労省の対応策である。



これで問題は解決するのか? するはずがない!根本的な問題が取り上げられていないし、あまり指摘されてもいない!

介護サービス情報の公表制度は、利用者のサービス選択とサービスの質の向上に資するためという理念が掲げられているが、現実は到底それを満たさない内容となっていることが問題なのである。

その中身はどうでもよく、マニュアルや記録が「あればいい」としている制度の中身そのものが大問題なのである。そんな制度で利用者がよりよい事業所を選択しようがないし、サービスの質もあがりようがない。

問題はここなのであるが、批判の矛先がここだけに止まらないことにより論点がズレてしまっている。

すなわち、「こんなつまらないことに時間と労力と高い手数料を負担させられている」という批判が多いことである。

確かにその批判は間違ってはいないが、「じゃ、手数料が安ければいいのか?無料ならいいのか?」となってくる。

手数料は無料でも実施に経費はかかるわけであり、その財源は税金等にならざるを得ず結局は我々の負担であることには違いない。

だから、廃止にするか、やるのなら理念を満たすべく適切なものに改善しなければならない。


天下りが諸悪の根源なのか?!

ところが!相変わらず批判の的は「天下りの温床」「天下りの肥え太るもと」ということに集中してしまっている。

もしそうであるなら是正しなければならないが、それはそれ、これはこれと区別して対応しないと、厚労省に「無知で低俗なヤツらがヒステリックに騒いでいるだけ」と軽くあしらわれるだけである。理路整然とデータを示して理論武装しないと。


制度の内容がその理念を満たしていないことについては、利用者や事業者へ実態調査を行えばすぐにわかることである。
(その調査は絶対に国にやらせてはいけない。国の都合の良いようにデータに修正を加える恐れがあるし、それこそ外郭団体に調査費用として多額の補助金が流れることになる。介護サービスに関わる職能団体・事業者団体に委託するべき)

そして制度は一旦休止にして、その間にじっくりと適切な内容のものを検討しなければならない。
(その1で書いた各サービス種類毎の項目を検討する部会の委員には猛省を促さなければならない)


一方、天下りの存在についてはどうだ?

いろいろ見聞きする声はほとんど推測に過ぎない。というか、「どうせ天下りの懐に入るんだろ」って愚痴ってれば気が収まるのか?という発言がほとんど。

何の根拠もなく知ったかぶりの聞くに堪えない陰湿な愚痴ばかり。そんな発言が山ほどあっても厚労省はびくともしない。


というのも、まず、情報の公表制度を作ったのは厚労省であって都道府県ではない。

そして我々の手数料は情報公表センターや調査機関に入る。これらは都道府県レベルのものであって厚労省やその外郭団体がピンハネするものでもなければ、公表センターや調査機関に厚労省の天下り職員が行くわけでもない(東京ぐらい事業所数が極端に多いところならあるかも知れないが)。


よって「我々の手数料が天下りの懐に入ってる」って指摘しても、「そんなことはありません。調べてもらったらわかります」って回答されてお終いなのである。

(ただ、厚労省のもともとの意図かどうかはわからないが、都道府県職員レベルの天下りが肥え太る体制になっているのであれば、それはやはり糾弾されるべきであり、その事実を客観的に把握できているのであれば、指摘しなければならない。)


この制度で厚労省サイドが私腹を肥やすであろうと推測される場所は、まずはこの制度の調査研究をし、モデル事業を実施し、そのために多額の補助金を受け取った「シルバーサービス振興会」だろう。ここなら天下りが行ってることは十分考えられる。

そしてもっと大きな存在が、この情報をネットで公表するシステムを請け負っているコンピュータ会社である。

情報公表センターは都道府県毎に設置され、このサイトに掲載されている事業所・施設も都道府県毎にわかれているが、このシステムそのものは全国統一で、厚労省から委託された会社が一手に請け負っている。

そしてこれまで、対象サービス種類は段階的に増えていき、また、直接ネット入力できるように改良されるなどして、このシステムは何度も手が入れられている。

そしてその度に何億という金がつぎ込まれているのである。

ここに癒着がないはずがないのだが、天下り職員が就職してる事実ぐらいなら調べればわかるだろうが、キックバックがあるかどうかなどはなかなか向こうもボロを出さないだろう…


まとめ

介護サービス情報の報告及び公表については、介護保険法第115条の35に定められている。

要約すると、事業者は、政令で定めるところにより介護サービス情報を都道府県知事に報告しなければならない。都道府県知事は厚生労働省令で定めるもの(調査項目)について調査し、その結果のうち厚生労働省令で定めるものを公表しなければならない、とされている。

ここでいう政令とは介護保険法施行令で、詳細は省くが主に調査機関や調査員について定められている。そして厚生労働省令で定めるものは同施行規則で定められている。そして実際の細かい部分については老健局振興課長名の通知で定められている。

制度の実施、廃止は介護保険法に定められているため、国会でその必要性について審議の上、決められなければならない。国会で審議されるのはあくまで理念や概念であり、これを否定すべき確固たる根拠を示すのは難しいから、まずこの制度を廃止することは無理だろう。

むしろ、この制度の理念とかけ離れたものに作り上げてしまった課長通知レベルなら、逆にいつでも変更が可能であり、突っ込むところはこの部分である。

調査手数料の積算根拠となった調査にかかる手間・時間も元はといえばシルバーサービス振興会が行ったモデル事業によるものをベースにしており、そのモデル事業がいかに現実に即してなかったかを表す結果となっている。

よってこれまでの反省を踏まえ、現場の者・実際の利用者等によって一から作り直す必要がある。そして本当に適切な制度が構築されるまで、現状のポンコツだらけの制度は、ひとまず休止しなければならない。
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2010.06.28 Mon l 個人的見解 l COM(0) TB(0) l top ▲

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