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◇社会保障審議会 介護給付費分科会◇(第56回 H20.10.9)

★今回の議題は、厚労省が示した「平成21年度介護報酬改定の5つの視点
(例)」(メルマガ42号参照)のうち、最初に記されている「介護従事者
対策について」です。この視点の論点としては、労働環境の改善の必要
性はもとより、介護報酬のあり方、キャリアアップの仕組みの構築、人
 員配置基準の検討の必要性があげられています。

★具体的なテーマとして、
  ①介護報酬の地域区分の見直し
  ②中山間地域等の小規模事業所に対する加算措置
  ③中山間地域の居住者にサービス提供する事業者への加算措置
  ④介護従事者のキャリアアップの仕組み
 の4点について、議論が行われました。

★現行では、給与水準等の地域差を反映させる仕組みとして、基本単位10円
 に対して級地(地域区分)ごとに割り増しがされています。また、介護サ
 ービスを人件費比率60%(訪問介護、通所介護等)と40%(施設サービス、
 訪問看護等)に類型化し、地域区分ごとの割増率に乗じて報酬単価を割り
 増ししています。(詳細は資料1の2頁参照)
 
 【現行の報酬単価】
            人件費比率60%のサービス 同40%のサービス
  特別区(12%)       10.72円        10.48円
  特甲地(10%)      10.60円 10.40円
  甲地(6%)  10.36円 10.24円
  乙地(3%)  10.18円 10.12円
  その他(上記以外の市町村)   10円 10円

★厚労省からは、5つの地域区分については原則的に現行のまま活用するが、
 地域区分の12%、10%…および人件費比率の60%、40%というパーセンテ
 ージについて、今回の実態調査の数値にもとづいて新たに定めるという提
 案が出されました。

★地域差を勘案する費用の範囲について、現行では人件費相当部分のみとなっ
 ており、改定に際しても物品費や土地代については勘案の必要はないのでは
 という提案が示されています。
 また、職員の範囲については、人員配置基準で1名以上または常勤換算での
 配置を規定している職員(医師を除く)についても、現行の直接処遇職員
 (介護・看護職員等)に加えて地域差を勘案してはどうかという提案がされ
 ました。具体的に、訪問介護では介護職員、老健施設では看護・介護職員、
 支援相談員、栄養士、OT・PT、介護支援専門員等が示されています。

★これについて、田中雅子委員(日本介護福祉士会名誉会長)は、「介護保険
 の運営基準や通知等においてそこに配置すべきとされている人材、たとえば
 訪問介護における、サービス提供責任者をどのようにみたらよいのか?
 実際に通知や基準で定められている職種に対する配置基準の位置づけはどう
 なっているのか」と質問しました。

★これに対して鈴木老人保健課長は、「介護職員のような直接処遇職員、基準
 に位置づけている各種職員については人件費に入れるべきと考えるが、管理
 職員について入れるかどうか、老健施設は医師が施設長ということもあるが、
 それをどう考えるかなど、この場で議論してほしい」と述べました。

★この回答を受けて大森彌分科会長は、「役所が運用のような形で出している
 ものはたくさんある。それを現場は配置基準と受け取っている。この資料に
 あるものだけではなく、現実にどういう通達が出て、(その人員を)置かざ
 るを得なくなっているのか、そういうことが明確になっていないとこれだけ
 ではすまないのではないかという質問の趣旨だと思う。大事な指摘だ」と切
 り返しました。

★鈴木老人保健課長は、「基本的に省令告示上の基準(いない場合は罰則がか
 かる基準)の部分と、分科会長がおっしゃる(通知の)部分は精査してみる。
 望ましい、必要数おく、という場合はどう考えるか。今回の提案は数を具体
 的に特定して、しかも基準省令上位置づけているものを直接処遇職員、それ
 に類する生活相談員以下を入れてはどうかということだ」と答えました。

★当協会の木村会長は、「現行で居宅介護支援は、人件費比率が60%か40%の
 どちらととらえるのか」と質問しました。(厚労省サイドからは人件費比率
 は60%と返答がありました)
 続けて、「直接処遇職員の考え方においては、居宅介護支援事業所は別に考
 えなければいけない。管理者については入れるべきであり、なぜなら居宅介
 護支援事業所の管理者は介護支援専門員ということが定められているからだ。
 実態として、一人二人の小規模事業所が多く、現場では、直接処遇職員と同
 じ仕事で管理者としても業務をしている状況だ」と述べました。

★さらに、「サービス別地域ごとの給与費割合をみた実態調査の結果では、居
 宅介護支援だけが5つのどの級地においても100%を超え、人件費比率が一番
 高いところに位置づけられている。経営がきちっとできる方向に持っていき
 たいので、この部分の配慮と、委員の皆さんの了解をいただきたい」と訴え
 ました。

★三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、「地域区分については従来通りで
 よいと思う。診療報酬にも地域加算があるが、整合性はとれているか。また、
 その他地域が60~70%あり、国家公務員がいない(少ない)ということだが、
 地方公務員はいるので、それぞれの地域をあてはめてどのくらい加算をする
 かということも考えてほしい。今回の改定では、人材確保、離職をしない、
 選択してもらえるということを重視しているので、他職種全産業給与と比較
 して、その上で介護職のあるべき水準を決めてからの議論になるのでは」と
 話しました。

★地域区分等は国家公務員の調整手当区分を基本として考えられていますが、
 民間賃金が高い地域に対しては18%の地域手当が支給されることが決まって
 います。これに関連して村川浩一委員(日本社会事業大学教授)は、「特別
 区については7.2%と出ているがこれで大丈夫か。直感的に2桁の位置づけ
 しないと大都市における人材確保は困難になる」と危惧を示しました。

★また、「介護保険は4期目に入るが、大変ずさんな制度という側面がある。
 訪問介護、通所介護などで、一番焦点となるべき管理者が事実上無資格でよ
 いとなっているが、こういうことは絶対やめるべきだ。管理者が無資格のと
 ころに高い報酬が払われてよいわけがない。ここは要件を求めて、事業所の
 根本を正すべきだ」と意見を述べました。

★中山間地域等の小規模事業所に対する加算措置については、利用者数が少な
 い、交通が不便などの理由により、効率的な事業経営が困難であるという考
 え方から、地域区分の「その他」地域のうち、現行の特別地域加算対象地域
 (15%加算、840保険者)以外の中山間地域、豪雪地域、辺地等(328保険者)
 を新たな加算対象とすることが提案されました。

★なお、鈴木老人保健課長は「小規模事業所を全て支援すると、大規模化に逆
 インセンティブが働くため、規模の拡大をするすべのない中山間地域は支え
 るが、それ以外の地域では大規模化が必要」との考えを示しました。

★また、事業者が中山間地域等の居住者にサービス提供をする際に、移動コス
 トがかかり、結果としてサービス提供に支障が生じかねない課題があること
 から、事業者が通常の事業実施地域を越えて、へき地またはそれに準じる地
 域で訪問・通所サービス(居宅介護支援含む)を提供する場合には、加算に
 より評価することが提案されました。

★三上委員は、「中山間地域は山道などでアクセスが悪いために加算をつける
 ということだが、加算をつければ自治体の負担も上がる。これに対する手当
 は本来介護保険料からみる筋ではなく、総務省関係の予算から出るべきもの
 ではないか。厚労省として努力してほしい」と意見を述べました。

★保険者の立場からは、山本文男委員(全国町村会会長)が、「今回の報酬改
 定において給付はいくら上がるのか、それが保険料にいくら跳ね返るのか」
 と率直な質問を出しました。

★これについて宮島老健局長は、
 「介護給付費や保険料に跳ね返ることについては2つの要因がある。
 ひとつは、第4期はサービスの供給量が増えることにより、自然体で介護給
 付費が伸びていくことで、もうひとつは政策的に介護報酬の改定をプラス改
 定にすれば保険料に跳ね返るということだ。
 自然体で上がる部分については、ある程度ご理解いただけかなければならな
 い。現在、各市町村の事業計画から今後3年間の保険料の見通しを集計中で、
 分科会でも報告する。また、第3期においては市町村の給付費は上がってい
 ないため、各市町村で介護給付費の準備金があるような気がする。そのへん
 も踏まえた上で、保険料をどのくらい上げるのかを詰める必要がある。
 介護報酬を1%引き上げれば65歳以上の保険料は月40円上がるという計算だ。
 一方で、国庫負担は200億円かかるので、この財政枠については、年末の予算
 編成で政府において議論していかなければならないことだ」と、答えました。

★井部俊子委員(日本看護協会副会長)は、「介護サービスの主たる担い手は
 女性であるにもかかわらず、賃金の男女差が歴然としてあることを非常に憂
 いている。これを是正するような施策があるべきと強く感じる」と話しまし
 た。皆さんの職場の実態もこれに近いのではないでしょうか。

★介護従事者のキャリアアップについては、介護福祉士の資格・研修制度が改
 正され、資格取得方法の見直しが平成24年度から施行されることを念頭に、
 議論が行われました。

★介護実務経験者が500~600時間の養成課程を経て、介護福祉士への道へ進む
 方法について、沖藤典子委員(作家)をはじめ複数の委員から「その間の収
 入の保障はどうなるのか」といった質問が相次ぐ中で、田中雅子委員は、
 「単に時間とお金の議論になることを懸念している。なぜこのような形でさ
 らなる教育内容が必要なのか、十分な理解が必要だと思う」と述べました。
 また、「研修で現場にいない場合は実地指導(の人員配置)を緩めてくれる
 のか」(川合秀治委員:全国老人保健施設協会長)という意見もありました。

★土生振興課長は、「実務経験者にも教育の機会を与え、努力すればキャリア
 アップできるという道筋をつくることが大事だ。仕事に支障がないように研
 修はITや通信教育など工夫をしたい」とし、環境整備については、「職業安
 定局とも相談をして助成金を要請している」と述べました。

★次回(第57回)は10月30日に開催されます。予定としては、2回程度居宅系
 サービスの全体像を議論した上で、個別の議論に入ります。それが一段落し
 たら施設系サービスの議論に移ります。

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♪後記♪
・前回の給付費分科会で、当協会の木村会長はじめとする複数の委員から、
 「介護事業経営実態調査」の配布数、回収数、有効回答数等の情報提示
 が求められ、今回この集計状況が参考資料として厚労省から提出されま
 した。

・居宅介護支援は、配布1,837件、回収数959件(52.2%)、有効回答数
 1,127件(61.4%)と、その母数からみても、他の15サービスに比べ突出
 して良い回収状況が明らかになりました!

・都道府県支部への通知により周知のお願いをしたり、メルマガでも再三
 に渡り調査協力をお願いしましたが、なんといっても実際に細かい調査
 に答えてくださった皆様に深く感謝し、御礼を申し上げます。

・協会で実施した利用者状況調査は現在集計中です。
 集計結果は、今後の議論・提言の基礎資料として利用させていただきます。 
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2008.10.10 Fri l 最新情報 l COM(0) l top ▲

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