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「地域包括ケアシステム」についての私の考えは、今から3年前の2007年11月発行のうぃずライン第3号「在宅とは~改めて考えてみる」に掲載していただいた。

地域包括ケアシステム


当時は究極の理想論として、実現は遠い先の話と思って書いたが、昨今の診療報酬や介護保険制度改正の議論を見てると、厚労省は本気ですぐにでも地域包括ケアシステムを構築させようとしてる意図がうかがえる。

先般、社会保障審議会介護保険部会で報告されていた「地域包括ケア研究会報告書」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に書かれてることは、先の私の拙文とほぼ同じだなぁと自慢してみたりして…(苦笑)  (お時間のある方は両者を見比べていただいて、ご批判等いただければ幸いです。)

地域包括ケアをご存知ない方は、私の拙文をご覧いただいた方がページ数が極端に少ないので、まだ読む気になり、ある程度でもイメージできるかと思われる。


地域包括ケアは“田舎”だからこそできた

私の拙文は、尾道市をメインに長崎市や奈良県の在宅ホスピスへの取り組みなどを参考にしている。

厚労省も同様に課長補佐クラスが現地に頻繁に視察に行ったり、中心となって頑張ってられる先生を審議会に呼ぶなどして、大いに参考にしている。

このような取り組みは徐々に日本各地に伝播して、地域の実情に応じて地域包括ケアに取り組もうとされてる地域が散見されるようになった。

しかし、このシステムが日本中どこに行っても当たり前のように存在するようになるには、どれだけのハードルをクリアしなければならないだろう?

先に挙げた先進的な地域は、表現は悪いが「田舎」であり、特に尾道や長崎は坂の街で高齢者が簡単に通院できるような地域ではない。

だから町の開業医が外来診療の合間に往診や訪問診療をして、外出が簡単ではない高齢者にも然るべき医療を提供しようとした。

そういう気概を持った(持たざるを得ない状況?)医師が多い地域であり、その医師にリードされることによって同じように意識の高い訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなどが育っていった。

つまり、地域包括ケアには、「自分(達)が患者(利用者)の生活を支えるんだ」という強い意識が不可欠である。

残念ながら都会には、まず医師が「自分でなくても(他に在宅医療を行う医師がいる)」と考えていたり、在宅医療を行わなくても外来診療で十分収入がある(そのくらい人口がある)という考えから在宅医療を行わない医師が多いのが事実である。

さらに、24時間体制を365日続けなければならないことへの不安感も大きい医師も多いようである。
ところが先進的な取り組みをされてる地域の医師は、みんな365日・24時間体制ではない。上手に役割分担している。

そう、「地域包括ケアシステム」とは、綿密な連携による「役割分担」「機能分担」なのである。


日本各地で医師不足による勤務医の疲弊がさらなる医師不足をまねくという悪循環により、地域医療崩壊状態となっている。
訪問看護師も似たような状況と言える。

(実は、在宅医療を行わない医師の中には、勤務医であることに疲れて開業したのだから、24時間体制はイヤという医師も少なくない)

しかし、急性期(救急)病院の勤務医には、特に脳血管疾患や心臓系疾患など1分1秒を争う疾患で運び込まれた患者は、万全の体制で対応して欲しい。
もちろんベッドも空いてる必要がある。

そのためには急性期を脱した患者には、速やかに回復期~維持期~在宅と、状態に応じて然るべき医療機関や施設等で対応するといった「役割分担」「機能分担」が必要なのである。

これは同時に、というかむしろメインの目的は、患者に効率的で効果的な医療を提供できるということ、QOLが高められるということである。

これを医療の現場だけに止めるのではなく、介護や保健、福祉、その他を含めた地域全体に拡げること。すなわち“地域全体で一人の患者(利用者・高齢者)を支える”という概念。


これこそ『地域包括ケア』なのである。

後半に続く。
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2010.07.13 Tue l 個人的見解 l COM(0) TB(0) l top ▲
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