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●1●行政のうごき

◇社会保障審議会 介護給付費分科会◇(第57回 H20.10.30)

★今回は平成21年度介護報酬改定について、居宅系サービスのうち、訪問介
 護、訪問入浴介護、通所介護、療養通所介護、通所リハビリテーション、
 訪問リハビリテーション、訪問看護、事業所評価加算が議題となりました。

★報酬改定にあたっての視点として、前回示された資料から次に掲げるもの
 が追加されました。
  ・介護従事者の人材確保対策のうち、地域格差や小規模事業所への対応
   のほか、どのような対応が可能か。また、収支差率が低い居宅介護支
   援、小規模多機能型居宅介護等へどのような対応が可能か

  ・医療と介護の連携を推進し、診療報酬との整合性を確保するためどの
   ような点に留意すべきか。

  ・訪問看護におけるサービス提供責任者に対する評価のあり方の検討、
   特定事業所加算、事業所評価加算についての見直しの検討。

★これらを踏まえた上で、サービスごとの現状と課題および論点が厚労省よ
 り一括で説明されたあと、ランダムに議論が行われました。

★当協会の木村会長は、「日本介護支援専門員協会の都道府県支部経由で現
 場の介護支援専門員に意見を求めて出てきた内容のうち、今日の論点の部
 分について触れてみたい」と前置きして、以下の一連の発言をしました。

★まず第一に「訪問介護のサービス提供責任者については、一緒に仕事をし
 ていてもっと評価するべきだという声がある。特にマネジメントに対して
 の評価をするべきだ」と述べました。

★訪問介護のサービス提供責任者の評価については、たとえば緊急時に居宅
 の介護支援専門員と連携を取り対応をした場合の評価や、常勤でなければ
 ならないことの要件緩和が厚労省から提案されました。
 後者については多くの委員が発言をし、「名ばかり責任者は国民からも信
 用されない」(村川浩一委員:社会事業大学教授)、「目指している方向
 と逆だ。サービスの質の確保、キャリアアップにも関連する大事な点であ
 り、しっかり責任を持ってもらえる人に、きちんと処遇するべき」(齊藤
 秀樹委員:全国老人クラブ連合会常任理事)、「非常勤で本当によいのか
 懸念する」(山本文男委員:全国町村会会長)など、反対意見が大多数を
 占めました。

★続けて木村会長は、「訪問入浴には看護師が同行して、バイタルをはかっ
 ている。訪問看護とどういう見合いをするかを考えなくてはならないが、
 医療処置等が必要な場合はどうするか。うまく人材を回していくことをす
 るべきではないか」と述べました。また、通所介護事業所が提供する現行
 の個別機能訓練を含めて在宅での生活が維持・改善される機能の評価のあ
 り方についてどう考えるかという論点について、「現場感覚ではそもそも
 個別機能訓練が何を指しているのかが、明確ではない。具体的にどういう
 ことをやればとよいということを明確化して欲しいという意見があった」
 と話しました。

★訪問リハビリテーションについては、整備状況に地域格差が大きいことな
 どから、実際にサービスが必要にもかかわらず、提供されていないケース
 もあることが指摘されています。このことから訪問看護ステーションから
 の理学療法士等の訪問を制限することについて再検討する必要があげられ
 ました。また、専ら訪問看護ステーションからの理学療法士の訪問を行っ
 ている事業所の管理者要件の検討もあげられたほか、1日単位ではなく、
 提供時間に合わせた評価方法の導入も論点とされました。

★木村会長は、「訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションから提供
 されるリハビリについて、必要な人にサービスを入れたくても地域で提供
 量に限りがあるところもあるため、その辺の配慮をお願いしたい」と述べ
 ました。

★通所リハビリテーションについては、医療保険からの受け皿としての機能
 を強化して、介護保険へのスムーズな移行を支援するべきとの指摘があり、
 短時間、個別リハビリテーションを推進する方向が打ち出されました。
 また、前年度1ヶ月あたりの延べ利用者数が900回を超えた場合は減算され
 ますが、751~900回と、900回以上では収支差率が逆転していることから、
 大規模事業所に対する評価の見直しが提案されました。

★このことについて三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、「居宅介護支
 援事業所に対する減算も同様の形式で、一定数を超えると元から減算をし
 ていくという方法である。通所リハの場合は、900人と901人の利用
 者では901人のほうがはるかに収入が少なくなるという矛盾がある」と
 述べました。わかりやすい例として大阪のタクシー料金をあげ、「大阪の
 タクシーは5000円を超えると半額になるが、元からではなく、7000円あれ
 ば6000円になるというだけの話しである。7000円になったら3500円になる
 ということではない」と述べました。

★ワーキングチームの報告で、訪問・通所系のサービス事業について、福祉
 サービス系と医療系サービスの役割分担と事業運営モデルの検討が必要で
 はないかとされ、その際、利用者およびケアマネジャーに対するサービス
 の周知徹底について考慮されることの必要性が検討課題にあげられました。
 これについても木村会長はふれ、「ここを上手く進めるための提案がある。
 資料に介護保険・医療保険の加算部分の一覧表があり、現場でも声が出て
 いるが、退院時共同指導加算は、医療保険適用の場合のみ算定できて、介
 護保険では算定できない。逆にいえば、介護保険の利用者の担当者会議や
 連携がうまくいかないということがいえる。むしろこの介護保険側にも退
 院時共同指導加算をつけて、退院時のその場で、利用者、家族、ケアマネ
 ジャー、訪問看護師等が会し、こういうことだから訪問看護が必要なんだ、
 こういうサービスを使用したらどうか、ということを具体的にやらないと
 進まない」と話しました。

★平成18年改定では、利用者の要支援状態の維持・改善の割合が一定以上と
 なった場合に介護予防の「事業所評価加算」が試行的に新設されました。
 利用者の自己負担増という側面も有しますが、利用者からは肯定的な意見
 も多く認められているため、この加算の設定を継続する案が示されました。

★木村会長は、「この加算はこのまま進めてほしい。今回は介護予防という
 ことで、その事業所のサービスのみで維持・改善という評価に絞っている
 のかもしれないが、今後介護サービスのほうに拡大するとなれば、チーム
 でケアマネジメントをしたことが評価されていくということになるはずだ。
 今後は一人ひとりの利用者に対してかかわったサービスのそれぞれの総合
 力で維持・改善できるという見方で、調査研究をしていくべきではないか
 と思う」と述べました。

★この加算については多くの委員からの意見が出されました。齋藤委員は、
 「事業所評価加算の方向性は理解できる。利用者も肯定的に考えているが、
 加算を知らない人が一定数いる。知らないで利用して自己負担があると不
 満にもつながる要因になる。高いサービスを受け改善するのは負担がある
 にしても喜ばしいことだが、入口でその理解をしていてないと、影響がで
 る。ぜひ加算について事業所側、ケアマネにも周知をお願いしたい」と話
 しました。対馬忠明委員(健保連専務理事)は、「医療保険でも回復期リ
 ハの重度患者が3割改善された場合は加算1日50点が、20年度改正でつけ
 られている。ぜひ努力した事業所が報われることについては拡大の方向で
 やってほしい」と述べました。

★平成18年に創設された療養通所介護については、「介護保険制度の理念を
 真っ向から体現できる非常に重要な制度だが49事業所と認知度が低くて残
 念。つぶすことなく伸ばしてほしい」(井部俊子委員:日本看護協会副会
 長)、「伸ばして欲しい制度だ。特に重度の方が利用していて、ある意味、
 特養や老健の待機組といってもよく、意味としては大きい。事業所数が拡
 大されることが優先であり、面積要件も理解しているが、急ぐという視点
 からは面積が多少小さくても広げる努力をしてほしい」(齊藤委員)とい
 った意見がありました。

★三上委員は、療養通所介護の1000単位・1500単位と、特定介護老人保健施
 設短期入所療養介護費760単位を比較して、「これは療養通所介護と同様に
 難病の方を日中ショートでみる点数だ。この点数の差から中身は実際どう
 いうことが行われているのかを伺いたい。特に、重度の方を対象にしてい
 るので医療が提供できない療養通所介護は、5~8人に増やすことは果た
 してよいのか」と疑問を呈しました。

★また、訪問看護を利用している褥瘡患者のうち、42.5%はステージⅢ及び
 Ⅳの重度であると提示され、介護保険では特別管理加算がないため医療と
 の整合性から加算をつけたらどうかと提案されていることについて、「タ
 イムスタディでみると、体位変換で1日2~3分、清潔整容で1日4分く
 らいのもので、実際在宅で重度の褥瘡がよくなるとは考えられない。加算
 をつけて訪問看護で重度の褥瘡を見ていくためのインセンティブをつける
 のはいかがなものか。こういったものは入院させて集中的に治療すること
 が必要である」と訴えました。

★さらに、短期集中リハが訪問リハで論じられていることについて、「短期
 集中リハは在宅の患者が落ち込んだ時に大切だが、ショートステイの中で
 短期集中リハを行うほうがはるかに有効ではないかと考える」と述べまし
 た。

★田中滋委員(慶應義塾大学教授)は、規模と経営成果について、「小規模
 事業所が赤字だという統計数字があり、確かにそうだと思うが、小規模で
 ある理由は3つある。へき地という環境や制度上小さくならざるを得ない
 小規模多機能居宅介護はやむを得ないし、当然配慮すべきだ。
 しかし、経営上の選択を反映した結果小規模となることもある。たとえば
 作ったばかりの事業所は小規模で最初の1年は赤字かもしれない。また、
 事業者として色々なビジネスラインをもっていてトータルで収支を図れば
 よい場合、ある事業は必要だからもっているというケースでは、見かけ上
 そのビジネスだけが赤字に見えることがある。
 もっと悪いのはお客様がつかない、地域にお客様がいるのに他の事業者に
 負けてしまって働く人も採用できず、小規模で赤字というところを支援す
 る意味は全くない。小規模だからという理由だけではなく、経営者の判断
 にもとづく所を国家が云々してはいけない」と強い考えを示しました。
 また、「緊急避難的に対応が求められていることへの対処は当然である。
 それは別として、委員として考えるのは長期的にみてあるべき方向に合致
 している点を重視することを忘れてはならない。たとえば、医療との連携、
 短期集中リハ、短時間頻回訪問なども考えていかなくてはならない」とま
 とめました。

★最後に大森分科会長は、「参考資料3として提出された『社会保障国民会
 議における検討に資するために行う医療・介護費用のシミュレーション』
 の中の図は大変参考になるので、各自よくみてほしい」と述べました。

★次回(第58回)は、11月14日に開催されます。引き続き居宅系サービスが
 議題となりますが、いよいよ居宅介護支援がテーマにあがります。


◇平成21年度介護報酬改定はプラス3%に◇

★政府・与党は30日、来年度の介護報酬を3%プラスにすることを決めました。
 本来であれば改定率は年末の予算編成で決まりますが、追加経済対策として
 介護労働者の処遇改善が盛り込まれたため、前倒しされた形となりました。

★3%プラスすることによる保険料の急激な上昇を抑制する措置として、
  ・21年度 改定による上昇分の「全額」
  ・22年度 改定による上昇分の「半額」
 について、被保険者の負担を国費によって軽減することになりました。

★具体的には、1200億円程度の国費を投入し、65才以上の第1号被保険者の保
 険料分は市町村に基金を設置、40~64才の第2号被保険者の保険料分は、保
 険者団体等に公布し、増額分を肩代わりする措置がとられます。

★本日、午前中に開催された「安心と希望の介護ビジョン」第5回会議の冒頭
 でこの報告がされ、委員からは「この3%が介護従事者に還元される道筋を
 どう考えているか」「賃金一人月20000円がまんべんなくアップされるか」
 といった質問が出ました。

★この質問について、鈴木老人保健課長は、「処遇改善は今回の介護報酬の大
 きな柱であり、これに結びつくような措置として、手厚い配置、一定の有資
 格者の配置を評価することを提案している。また、報酬以外の経営面ではど
 うか、介護従事者の給与に反映したのかを改定後に検証するなど、多面的に
 捉え、現場で努力している人に応えたい」、「どのくらいの処遇改善に結び
 つくかは、常勤・非常勤、サービスごと、規模ごと様々な要因があるので、
 一定の金額が配分されるわけではない。これは社会保障審議会で慎重に議論
 していく」と述べました。

★「安心と希望の介護ビジョン」第5回会議の模様は、改めてお伝えいたしま
 す。
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2008.10.31 Fri l 最新情報 l COM(0) l top ▲
 政府与党は、国際的金融危機に対処する追加的経済対策を取りまとめ、麻生首相に提出した。その中に生活安心確保対策として「介護従事者の処遇改善と人材確保」が盛り込まれた。介護職員の待遇改善を目指し、1,200億円を計上する方向で調整する。
 この1,200億円は、介護報酬引き上げに伴い、本来ならアップする保険料の肩代わり分に充当し、被保険者の負担増を緩和するのが目的。21年度に800億円、22年度に400億円を投入する方針。
2008.10.24 Fri l 最新情報 l COM(0) l top ▲
◆ 福祉用具や住宅改修、6種目を追加へ  介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会

 厚労省は21日、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会を開き、介護保険給付の対象に追加する福祉用具・住宅改修について検討した。
 追加を決めた福祉用具は、①起きあがり補助用具(体位変換器)、②離床センサー(認知症対応)、③階段移動用リフト、④自動排泄処理装置(尿と便が自動で吸引でき、洗浄機能を有するもの)、⑤入浴用介助ベルト、の5品目。住宅改修は「引き戸などの新設」。
 今後、厚労省は社会保障審議会介護給付費分科会に検討会の合意事項を報告し、告示・通知の改正を行う。
2008.10.23 Thu l 最新情報 l COM(0) l top ▲
◇社会保障審議会 介護給付費分科会◇(第56回 H20.10.9)

★今回の議題は、厚労省が示した「平成21年度介護報酬改定の5つの視点
(例)」(メルマガ42号参照)のうち、最初に記されている「介護従事者
対策について」です。この視点の論点としては、労働環境の改善の必要
性はもとより、介護報酬のあり方、キャリアアップの仕組みの構築、人
 員配置基準の検討の必要性があげられています。

★具体的なテーマとして、
  ①介護報酬の地域区分の見直し
  ②中山間地域等の小規模事業所に対する加算措置
  ③中山間地域の居住者にサービス提供する事業者への加算措置
  ④介護従事者のキャリアアップの仕組み
 の4点について、議論が行われました。

★現行では、給与水準等の地域差を反映させる仕組みとして、基本単位10円
 に対して級地(地域区分)ごとに割り増しがされています。また、介護サ
 ービスを人件費比率60%(訪問介護、通所介護等)と40%(施設サービス、
 訪問看護等)に類型化し、地域区分ごとの割増率に乗じて報酬単価を割り
 増ししています。(詳細は資料1の2頁参照)
 
 【現行の報酬単価】
            人件費比率60%のサービス 同40%のサービス
  特別区(12%)       10.72円        10.48円
  特甲地(10%)      10.60円 10.40円
  甲地(6%)  10.36円 10.24円
  乙地(3%)  10.18円 10.12円
  その他(上記以外の市町村)   10円 10円

★厚労省からは、5つの地域区分については原則的に現行のまま活用するが、
 地域区分の12%、10%…および人件費比率の60%、40%というパーセンテ
 ージについて、今回の実態調査の数値にもとづいて新たに定めるという提
 案が出されました。

★地域差を勘案する費用の範囲について、現行では人件費相当部分のみとなっ
 ており、改定に際しても物品費や土地代については勘案の必要はないのでは
 という提案が示されています。
 また、職員の範囲については、人員配置基準で1名以上または常勤換算での
 配置を規定している職員(医師を除く)についても、現行の直接処遇職員
 (介護・看護職員等)に加えて地域差を勘案してはどうかという提案がされ
 ました。具体的に、訪問介護では介護職員、老健施設では看護・介護職員、
 支援相談員、栄養士、OT・PT、介護支援専門員等が示されています。

★これについて、田中雅子委員(日本介護福祉士会名誉会長)は、「介護保険
 の運営基準や通知等においてそこに配置すべきとされている人材、たとえば
 訪問介護における、サービス提供責任者をどのようにみたらよいのか?
 実際に通知や基準で定められている職種に対する配置基準の位置づけはどう
 なっているのか」と質問しました。

★これに対して鈴木老人保健課長は、「介護職員のような直接処遇職員、基準
 に位置づけている各種職員については人件費に入れるべきと考えるが、管理
 職員について入れるかどうか、老健施設は医師が施設長ということもあるが、
 それをどう考えるかなど、この場で議論してほしい」と述べました。

★この回答を受けて大森彌分科会長は、「役所が運用のような形で出している
 ものはたくさんある。それを現場は配置基準と受け取っている。この資料に
 あるものだけではなく、現実にどういう通達が出て、(その人員を)置かざ
 るを得なくなっているのか、そういうことが明確になっていないとこれだけ
 ではすまないのではないかという質問の趣旨だと思う。大事な指摘だ」と切
 り返しました。

★鈴木老人保健課長は、「基本的に省令告示上の基準(いない場合は罰則がか
 かる基準)の部分と、分科会長がおっしゃる(通知の)部分は精査してみる。
 望ましい、必要数おく、という場合はどう考えるか。今回の提案は数を具体
 的に特定して、しかも基準省令上位置づけているものを直接処遇職員、それ
 に類する生活相談員以下を入れてはどうかということだ」と答えました。

★当協会の木村会長は、「現行で居宅介護支援は、人件費比率が60%か40%の
 どちらととらえるのか」と質問しました。(厚労省サイドからは人件費比率
 は60%と返答がありました)
 続けて、「直接処遇職員の考え方においては、居宅介護支援事業所は別に考
 えなければいけない。管理者については入れるべきであり、なぜなら居宅介
 護支援事業所の管理者は介護支援専門員ということが定められているからだ。
 実態として、一人二人の小規模事業所が多く、現場では、直接処遇職員と同
 じ仕事で管理者としても業務をしている状況だ」と述べました。

★さらに、「サービス別地域ごとの給与費割合をみた実態調査の結果では、居
 宅介護支援だけが5つのどの級地においても100%を超え、人件費比率が一番
 高いところに位置づけられている。経営がきちっとできる方向に持っていき
 たいので、この部分の配慮と、委員の皆さんの了解をいただきたい」と訴え
 ました。

★三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、「地域区分については従来通りで
 よいと思う。診療報酬にも地域加算があるが、整合性はとれているか。また、
 その他地域が60~70%あり、国家公務員がいない(少ない)ということだが、
 地方公務員はいるので、それぞれの地域をあてはめてどのくらい加算をする
 かということも考えてほしい。今回の改定では、人材確保、離職をしない、
 選択してもらえるということを重視しているので、他職種全産業給与と比較
 して、その上で介護職のあるべき水準を決めてからの議論になるのでは」と
 話しました。

★地域区分等は国家公務員の調整手当区分を基本として考えられていますが、
 民間賃金が高い地域に対しては18%の地域手当が支給されることが決まって
 います。これに関連して村川浩一委員(日本社会事業大学教授)は、「特別
 区については7.2%と出ているがこれで大丈夫か。直感的に2桁の位置づけ
 しないと大都市における人材確保は困難になる」と危惧を示しました。

★また、「介護保険は4期目に入るが、大変ずさんな制度という側面がある。
 訪問介護、通所介護などで、一番焦点となるべき管理者が事実上無資格でよ
 いとなっているが、こういうことは絶対やめるべきだ。管理者が無資格のと
 ころに高い報酬が払われてよいわけがない。ここは要件を求めて、事業所の
 根本を正すべきだ」と意見を述べました。

★中山間地域等の小規模事業所に対する加算措置については、利用者数が少な
 い、交通が不便などの理由により、効率的な事業経営が困難であるという考
 え方から、地域区分の「その他」地域のうち、現行の特別地域加算対象地域
 (15%加算、840保険者)以外の中山間地域、豪雪地域、辺地等(328保険者)
 を新たな加算対象とすることが提案されました。

★なお、鈴木老人保健課長は「小規模事業所を全て支援すると、大規模化に逆
 インセンティブが働くため、規模の拡大をするすべのない中山間地域は支え
 るが、それ以外の地域では大規模化が必要」との考えを示しました。

★また、事業者が中山間地域等の居住者にサービス提供をする際に、移動コス
 トがかかり、結果としてサービス提供に支障が生じかねない課題があること
 から、事業者が通常の事業実施地域を越えて、へき地またはそれに準じる地
 域で訪問・通所サービス(居宅介護支援含む)を提供する場合には、加算に
 より評価することが提案されました。

★三上委員は、「中山間地域は山道などでアクセスが悪いために加算をつける
 ということだが、加算をつければ自治体の負担も上がる。これに対する手当
 は本来介護保険料からみる筋ではなく、総務省関係の予算から出るべきもの
 ではないか。厚労省として努力してほしい」と意見を述べました。

★保険者の立場からは、山本文男委員(全国町村会会長)が、「今回の報酬改
 定において給付はいくら上がるのか、それが保険料にいくら跳ね返るのか」
 と率直な質問を出しました。

★これについて宮島老健局長は、
 「介護給付費や保険料に跳ね返ることについては2つの要因がある。
 ひとつは、第4期はサービスの供給量が増えることにより、自然体で介護給
 付費が伸びていくことで、もうひとつは政策的に介護報酬の改定をプラス改
 定にすれば保険料に跳ね返るということだ。
 自然体で上がる部分については、ある程度ご理解いただけかなければならな
 い。現在、各市町村の事業計画から今後3年間の保険料の見通しを集計中で、
 分科会でも報告する。また、第3期においては市町村の給付費は上がってい
 ないため、各市町村で介護給付費の準備金があるような気がする。そのへん
 も踏まえた上で、保険料をどのくらい上げるのかを詰める必要がある。
 介護報酬を1%引き上げれば65歳以上の保険料は月40円上がるという計算だ。
 一方で、国庫負担は200億円かかるので、この財政枠については、年末の予算
 編成で政府において議論していかなければならないことだ」と、答えました。

★井部俊子委員(日本看護協会副会長)は、「介護サービスの主たる担い手は
 女性であるにもかかわらず、賃金の男女差が歴然としてあることを非常に憂
 いている。これを是正するような施策があるべきと強く感じる」と話しまし
 た。皆さんの職場の実態もこれに近いのではないでしょうか。

★介護従事者のキャリアアップについては、介護福祉士の資格・研修制度が改
 正され、資格取得方法の見直しが平成24年度から施行されることを念頭に、
 議論が行われました。

★介護実務経験者が500~600時間の養成課程を経て、介護福祉士への道へ進む
 方法について、沖藤典子委員(作家)をはじめ複数の委員から「その間の収
 入の保障はどうなるのか」といった質問が相次ぐ中で、田中雅子委員は、
 「単に時間とお金の議論になることを懸念している。なぜこのような形でさ
 らなる教育内容が必要なのか、十分な理解が必要だと思う」と述べました。
 また、「研修で現場にいない場合は実地指導(の人員配置)を緩めてくれる
 のか」(川合秀治委員:全国老人保健施設協会長)という意見もありました。

★土生振興課長は、「実務経験者にも教育の機会を与え、努力すればキャリア
 アップできるという道筋をつくることが大事だ。仕事に支障がないように研
 修はITや通信教育など工夫をしたい」とし、環境整備については、「職業安
 定局とも相談をして助成金を要請している」と述べました。

★次回(第57回)は10月30日に開催されます。予定としては、2回程度居宅系
 サービスの全体像を議論した上で、個別の議論に入ります。それが一段落し
 たら施設系サービスの議論に移ります。

*******************************************************************
♪後記♪
・前回の給付費分科会で、当協会の木村会長はじめとする複数の委員から、
 「介護事業経営実態調査」の配布数、回収数、有効回答数等の情報提示
 が求められ、今回この集計状況が参考資料として厚労省から提出されま
 した。

・居宅介護支援は、配布1,837件、回収数959件(52.2%)、有効回答数
 1,127件(61.4%)と、その母数からみても、他の15サービスに比べ突出
 して良い回収状況が明らかになりました!

・都道府県支部への通知により周知のお願いをしたり、メルマガでも再三
 に渡り調査協力をお願いしましたが、なんといっても実際に細かい調査
 に答えてくださった皆様に深く感謝し、御礼を申し上げます。

・協会で実施した利用者状況調査は現在集計中です。
 集計結果は、今後の議論・提言の基礎資料として利用させていただきます。 
*******************************************************************
2008.10.10 Fri l 最新情報 l COM(0) l top ▲
●平成21年度 予算・税制改正にあたっての要望について

★10月8日、政権与党である自由民主党政務調査会厚生労働部会および組織本
 部厚生関係団体委員会の合同会議が開催され、平成21年度予算・税制改正要
 望について団体ヒアリングが行われました。
 当協会もここに招かれ、木村会長と濱田副会長が出席しました。

★当協会の予算要望は、
 国民が安心して地域で必要なサービスが受けられる体制を維持し、介護保険
 制度を崩壊させないため、「居宅・施設の介護支援費の財源確保」です。

★税制改正の要望は、
 「居宅介護支援費にかかる法人税の非課税措置」
 「指定研修実施機関が研修によって得る所得に対する法人税等の非課税措置」
 の2つです。

★木村会長はヒアリングで、このたびの介護事業経営実態調査の結果を引用し、
 在宅側のケアマネジメントをしっかりしている介護支援専門員の所属する居
 宅介護支援事業所が、ずっと大幅な赤字である状況を説明しました。

居宅介護支援事業所の収支差率がプラスにならなければ、本当に在宅側の介
 護保険制度は崩壊の危機にあると訴え、出席した議員ほか関係者に、真剣に
 一緒に考えて欲しい!と強く訴えました。


★なお、ヒアリングに招かれこの要望書を提出するに先立ち、当協会都道府県
 支部を通して要望事項のお伺いをしております。毎年同じ時期にあることで
 すので、要望事項を日頃から意識して支部経由でご提案ください。
 要望書は会員専用頁に掲載しています


●3●当協会 第3回全国大会in東京のご案内

「安心な暮らしを支えるケアマネジメントの確立のために」
 ~介護支援専門員にかかる評価の行方~

★日 時:平成20年12月7日(日) 10:00~16:00
★会 場:すみだ産業会館(東京都墨田区江東橋3-9-10)
★参加費:事前登録 会員5,000円/非会員8,000円
     当日参加 会員6,000円/非会員9,000円
★内 容:①基調講演『介護報酬の行方』(厚生労働省老健局振興課長 予定)
     ②シンポジウム
      『安心な暮らしを支えるケアマネジメントの確立のために』等

 ※今年の全国大会は、規模縮小して1日のみの開催です。
 ※申込書は、明日(10日)ホームページにアップします。


●4●行政のうごき(資料はホームページから!)

◇認知症・虐待防止対策主管課長会議◇(H20.10.7)

★この会議は、厚生労働省老健局計画課認知症・虐待防止対策推進室が中心と
 なって関連部局をまたいで主催し、都道府県・政令指定都市の認知症・虐待
 防止対策担当者を対象に開催されたものです。

★この日はおもに、「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の
 報告とそれに関連して来年度の予算概算要求、そして高齢者虐待防止につい
 ての調査結果を中心に会議が進められました。

★緊急プロジェクトの報告では、認知症の早期の確定診断を出発点とした適切
 な対応を促進することを基本方針とし、具体的な対策として、①実態の把握、
 ②研究開発の促進、③早期診断の推進と適切な医療の提供、④適切なケアの
 普及及び本人・家族支援、⑤若年性認知症対策を積極的に推進すること、
 が大きな5つの柱としてあげられています。
 【メルマガ 28号・30号等にて既報】

★事業としては、これまで継続として「地域資源マップ」を作成して本人家族
 を地域で支える「地域支援体制構築等推進事業」等のほか、次の4つが新規
 事業として新たに実施されます。

 ①認知症対策普及・相談・支援事業
  各都道府県、指定都市にコールセンターを設置。地域包括支援センターと
  役割を分けて、認知症に特化して疑いの段階からハードルを下げて対応。
  対応する人はケアマネを含めどういう人が適任かも検討。
   ※実施主体は都道府県と指定都市(家族の会などへ委託実施)
   ※負担割合は国1/2、都道府県・指定都市1/2

 ②認知症地域ケア多職種共同研修・研究事業
  各地域の課題に対する具体的方策を講じ、共通理解を図るため、
   (1)専門職研修(居宅のケアマネ、医師、看護師、グループホーム職員等)
   (2)地域ケアネットワーク研修(ボランティア、警察、家族会、自治会等)
の2系統の研修を市町村単位で実施。
   ※実施主体は市町村(150か所)
   ※負担割合は国1/2、都道府県1/4、市町村1/4

 ③認知症対策連携強化事業
  早期確定診断に対応するなど、認知症疾患医療センターの連携担当者と連
  携をとることや、地域の総合支援体制を確立する役割を担うため、当面全
  国150か所に地域包括支援センターに新たに「認知症連携担当者」を配置。
  (現在の3職種とは別立て)
  なお、この担当者は全国に1000人程度いる認知症介護指導者研修修了者等
  を念頭においているそうです。
   ※実施主体は市町村(認知症疾患医療センター設置市町村)
   ※負担割合は国10/10(定額)

 ④若年性認知症対策総合推進事業
  広報・啓発中心。全国1か所にコールセンターを設置。
   ※実施主体は都道府県
   ※負担割合は事業内容により、国1/2まで。

★認知症については、国としてもその対策をさらに強化していく方針を打ち出し、
 政府全体として「認知症に対する総合的な推進費」として48億円の予算を立て
 ています。老健局においても平成20年の約16億円から平成21年度は約37億円の
 概算要求をしています。

★認知症対策の推進には都道府県、市町村の積極的な取り組みが不可欠です。
 老健局の井内認知症・虐待対策室長は、「都道府県も市町村もそれぞれの財政
 当局に対して、必要な予算要求の準備をするためにすぐに動いてほしい」と述
 べました。
 当協会からもこのように必要な情報を提供いたしますので、介護支援専門員サ
 イドからも積極的な働きかけをしてほしいと思います。

★高齢者虐待については、その対応状況を把握するための調査が平成18年・19年
 にかけて全市町村及び都道府県を対象として行われました。その結果が10月6日
 に公表されています。
 この日の資料にも掲載されていますので、ホームページでご確認ください。

★高齢者虐待防止法についての理解が進んだことにより、市町村等への相談や通
 報件数は増加しています。厚労省では、住民への啓発活動などの取り組みが進
 んだ結果と前向きに見ていると報告がありました。

★養護者による高齢者虐待の相談・通報者で、最も多いのは、介護支援専門員・
 介護保険事業所職員からによるもので、42.1%を占めます。虐待に気づいた場
 合は、国民の誰もがすぐに通報することが虐待防止法の趣旨ですが、高齢者に
 接する機会の多い介護支援専門員であればなおさらであり、調査結果がその役
 割の重要性を示しています。


◇高齢者医療制度に関する検討会◇(第2回 H20.10.7)

★この検討会(座長:塩川正十郎氏)は、後期高齢者医療制度を見直しするため
 に、舛添厚労大臣の直轄で設置されています。

★この日の冒頭、舛添大臣は「あくまでも議論のためのイメージとして、前の老
 健制度に戻るという抽象的なものにしないため」として、見直しの「私案」を
 示しました。

★私案では、制度のねらいとして
 ①年齢に関わらず制度を一本化
 ②国保を都道府県単位として、財政を安定化
 ③地域医療において都道府県が主体的な役割を果たすこと
 があげられています。

★また、今後解決すべき課題として、
 ①高齢者の保険料に配慮しながら、制度を一本化するための具体策
 ②地域の国保保険料を統一する際の財政調整
 ③都道府県が運営主体を引き受けてくれるための条件整備
 があげられています。

★ようするに、高齢者医療制度と国保を年齢にかかわらず一本化し、都道府県単
 位で再編成するということですが、この私案に対して「都道府県は医療保険の
運営経験がなくノウハウがなく、現実的には困難」という意見が複数の委員か
 ら指摘されました。
 ただし、方向性としてはこれでよいとする意見も多く、その理由の一つとして
 「医療計画はこれから県単位で動く」ことがあげられています。

★この日の議題の一つは、年齢で区切ることについてでしたが、「75歳でなぜ切
 るのか、その理由として心身の特性が違うということを周知する必要がある」、
 「社会保険の理念からみれば75歳で区切るのはおかしい」など様々な意見が出
 されました。

★財源の比率については、「保険料か税かで発言力が変わる」という指摘もあり、
 大臣は「税の比率を増やさざるを得ないと思うが、財務省の発言力を阻止する
 ためにも『福祉目的税』の導入が必要では」と言及しました。

★都道府県などからヒアリングをすることも提案され、今後はそれらを踏まえて
 議論が進められる予定です。
2008.10.09 Thu l 最新情報 l COM(0) l top ▲
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